矢代仁トピックス


「矢代仁展」

町にはショートヘアーでパンツ姿の現代女性が溢れています。和文化に注目し、着物にも興味はあるが、昔ながらの「上品で華麗なお嬢さん」をイメージさせる着物は着たくない。そんなキャリアウーマン向けのお洒落着。男性に近く、それでいて女性的色気を伴う、自分の個性を損なわない着物、無理に女にも男にもならない今どきの知的な女性の着物姿に「御召」が合います。
御召「格子縞、絣」    


季節の花ギャラリー
あやめ・かきつばた
出典:矢代仁蔵書「四季の花」
昔から、「いずれあやめか杜若」などと美人の形容にも用いられている、野に咲く紫色の優美な花。あやめの名はアヤメ科アヤメ属の植物の総称として使われることが多い。あやめと杜若は別の花であるが、アヤメ類は似ていて区別するのは一般的に容易でない。

あやめ(綾目)〜山地のやや乾いた草原に生育する。五月頃に咲く花は花菖蒲や杜若に比べ、やや地味(小輪咲)であり、紫の花弁の付け根が黄色で、そこに紫色の網目模様があるのが特徴である。剣葉は幅狭く、濃緑色、主脈は不明瞭。葉脈が縦に平行に交目(あやめ)模様が入っている。高層湿原で見かけるのは檜扇菖蒲(ひおうぎあやめ)。
杜若(かきつばた)〜水辺、湿地に群生する。開花は初夏の頃だが、四季咲きもある。あやめに似た濃紫の花弁(中輪咲)の中央に白を配す。剣葉は幅広く、中央の葉脈は目立たない。花の姿が、頭上をかすめる燕(つばめ)を思わせるので燕子花(かきつばた)とも言う。日本原産のため古くから日本人に愛され、「万葉集」にもこの花を詠んだ歌が数首ある。白花もある。三河八橋の杜若は名高い。いけばなのいけ方は優しく女性的で、男性的に扱われる花菖蒲とは対照的。

※花菖蒲(はなしょうぶ)〜日本、中国北部、朝鮮半島、シベリア原産の野花菖蒲を原種として、江戸時代、観賞用に品種改良された。日本の古典園芸植物として世界的に有名。アヤメの中でこの種が園芸的に最も発達、二千種類あるといわれる。江戸、肥後、伊勢の三系統に分けられる(近年は外国種も多い)。湿地や水辺を好む。六月頃色彩も様々に鮮麗な花(大輪咲)開く。あやめや杜若と混同されやすいが、葉はやや青みをおびた緑色で幅中くらい、中央に隆起した脈がある。黄菖蒲もある。
江戸系 野花菖蒲に改良を加え、
江戸の堀切で栽培された。
色彩が鮮やかで群生美に優れる。
肥後系 幕末に細川家(熊本)に譲られた
江戸系から改良された。
花は厚弁の大輪で品位、
風格が堂々としている。
伊勢系 幕末に三重県松坂で発達した。
花弁が縮緬地で深く垂れ、
優しくこじんまりとしている。
※鳶尾(いちはつ)〜。中国原産。昔は藁葺き屋根の棟(むね)に植えると粘土(へなつち)の流失を防ぎ、大風の被害を防ぐとされた。杜若に似た形の白や紫の花が咲く。剣葉はやや短広。定かではないが、このアヤメ属のなかで一番早く花を咲かせるので一初草(いちはつそう)をあてたといわれる。
※菖蒲(しょうぶ)〜香気が邪気を払うとされ、五月の端午の節句に、軒につるしたり、風呂の湯に入れたして用いる。サトイモ科の草で、アヤメとは全く別物。池や溝の周辺に芳香のある緑色の艶々(つやつや)しい剣状の葉を叢生(そうせい:群がってはえる)する。初夏のころ花茎から、黄緑色の細い花が出てくるが、観賞するに足りない。ショウブも白菖と石菖が混同されており、端午の節句に菖蒲湯として用いられるのは白菖。


歳時記より
五月(皐月→六月)の覚え書
・陽暦では晴天の日が多く、芍薬(しゃくやく)・薔薇が開き、河鹿が鳴き、行楽やピクニックの好季節となる。薫風に泳ぐ鯉幟(こいのぼり)も見られ、蝿や蚊が出てくると、あたりはいよいよ夏らしくなる。
・カトリックでは五月をマリアの月と言う。
・卯月:陰暦四月の異称。現在の五月ごろにあたる。この月より夏に入るとされ、更衣(ころもがえ)を行った。卯月の名の由来には諸説あり、十二支の四番目が卯にあたることからとも、苗植月からの転訛とも、卯木(空木:うつぎ)の花が咲く月だからともいわれる。
鯉幟:矢代仁蔵書「端午玩具集」

4/30〜5/4 牡丹華(ぼたんはなさく):七十二候、穀雨の三候
5/5 立夏(りっか):二十四節気、陰暦四月節
穀雨の後十五日。夏の初めのことで、入梅前が大体初夏の感じといえよう。
木々の緑も新しく、衣服を替えた肌を吹く微風はすがすがしい。
5/5〜9 元黽始鳴(がまはじめてなく):七十二候、立夏の初候
5/10〜14 蚯蚓出(みみずいづ):七十二候、立夏の二候
5/15〜20 竹笋生(たけのこしょうず):七十二候、立夏の三候
5/21 小満(しょうまん):二十四節気、陰暦四月中
立夏の後十五日。万物しだいに長じて満つる意。
5/21〜25 蚕起食桑(かいこおきてくわをくう):七十二候、小満の初候
5/26〜30 紅花栄(べにばなさく):七十二候、小満の二候
端午〜五月五日の節句で菖蒲の節句ともいう。五節句の一つで平安時代には宮中で行われていたが、室町時代に武家の行事に取り入れられ、菖蒲を尚武(しょうぶ:武事をとうとぶこと)にかけて男子の成長や武運長久を祈願するようになった。菖蒲を軒に挿し、男子のある家では幟(のぼり)を立てたり武者人形などを飾り、この日を祝う。
幟(のぼり)〜端午の節句に立てる幟。外に立てる外幟(そとのぼり)は鯉幟が多く、五月鯉が五色の吹流しをつけて初夏の空を泳ぐ。鯉は出世の縁起物であることから好まれた。幟竿の上に矢車をつけ、風を受けると音をたてて回る。室内に飾るのは内幟で座敷幟とも言う。
武者人形〜端午の節句に飾る人形や鎧飾り。神功皇后・武内宿禰(たけのうちのすくね)・鍾馗(しょうき)・金太郎などの人形や太刀・飾兜・具足櫃(ぐそくひつ)などを飾る。
菖蒲湯〜端午の節句に菖蒲の根茎を入れて沸かした風呂。邪気を祓い、心身を清めるためのもので、現在でも銭湯などでは五月五日には菖蒲湯にする所がある。
粽(ちまき)〜粳米(うるちまい)や糯米(もちこめ)などの粉を練ったものを笹の葉や竹の皮で包んで蒸したもの。もとは茅の葉で巻いたことから粽の名がある。五月五日に作って食べる。
柏餅(かしわもち)〜粳米の粉で作った皮の間に小豆餡か味噌餡を入れて、柏の葉につつんで蒸した餅菓子。端午の節句に供える。江戸時代、柏の葉は新芽が出るまで古い葉を落とさないことから、家系が絶えない象徴として尊ばれていた。


矢代仁が出品する主な催しの予定
  日程 場所 催し名
5月 3日 日本橋高島屋:ホテルニューオータニ 上品会
  6〜12日 大阪三越:店内 染織の流れと逸品会
  7〜8日 矢代仁:東京店 決算市
  7〜13日 名古屋三越:店内 矢代仁展
  7〜20日 伊勢丹:店内 名匠展
  9〜10日 神戸大丸:有馬・向陽閣 絢匠苑
  10日 銀座松坂屋:金田中 染織名作展
  10〜11日 矢代仁:室町二条京都店 ファミリーセール
  10〜12日 たにばやし:店内 逸品会
  11〜12日 大阪松坂屋:大阪キャッスルホテル 染織名作展
  11〜12日 日本橋高島屋: 長崎ツアー
  13〜19日 三越本店:店内 きものミュージアム
  15日 日本橋高島屋:鴬啼庵 八王子拠点
  16〜18日 大阪高島屋:店内 わけあり処分市
  16〜18日 西武百貨店:イルムス館 染織の華展
  17〜18日 京都大丸:産業会館シルクホール 大きもの展
  17〜18日 静岡松坂屋:富士・焼津 染織名作展
  18日 心斎橋大丸:大阪会館 大きもの展
  20〜21日 佐世保玉屋:アルカスSASEBO 矢代仁展
  20〜21日 広島三越:店内 三彩会
  23〜24日 静岡松坂屋:浮月楼 染織名作展
  24日 京都高島屋:ビル葆光 きもの祭
  24〜25日 矢代仁:赤坂プリンスホテル エクセレントきものイン赤坂
  25日 上野松坂屋:川口文化センター 染織名作展
  25日 日本橋高島屋: 柏拠点
  31日〜6/1 伊勢丹:美術クラブ 洛美会




    YASHIRONI 株式会社 矢代仁
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