矢代仁トピックス


「矢代仁展」

同級生と20年振りに再会する時、その人生の過ごし方が学生時代の旧友に顕(あきらか)になります。同窓会には、いつもより若く、幸せな雰囲気に包まれた姿で出席したい。そんな大切な一日、あなたを華やかに彩る「きもの」なら、自信をもって参加できます。
訪問着「桃山小袖」    


季節の花ギャラリー
桜、山吹、沈丁花(じんちょうげ)
出典:矢代仁蔵書「四季の花」
桜〜春の桜は花王と言われ、淡紅白色の花容は、古来とくに日本人に賞された。花と言えば、桜のことであり、国花とされている。爛漫と咲き盛った万朶(ばんだ;多くの枝)の花の散りぎわのあわただしさが、ひとしお愛惜(あいせき)されるのである。朝、夕の花を賞して、朝桜、夕桜と言い、また桜の夜景をめでて、夜桜を見に出かける風習もある。

彼岸桜はもっとも早く咲く。
山桜は優雅でその散りぎわがまことに清い。白色単弁で変種も多く、花と同時に赤味を帯びた若葉がでる。吉野の山桜は有名である。
染井吉野は葉に先だって花が開く淡紅白色の華麗な種類で、東京染井の植木屋から広がったから名づけられたものであり、吉野の山桜とは別種である。他に深山桜(みやま)、大島桜、大山桜などの種類がある。
八重桜は花が濃艶で、一重桜より花期がおそい。一名牡丹桜とも言う里桜や、茶碗桜とも言う南殿などが八重である。
やや変わったものに、丁字桜一名目白桜や豆桜一名富士桜や、古く「ははか」と言った上溝桜(うわみず)一名金剛桜、その他犬桜、しおり桜などがある。場所によって名ある桜は、御所の左近の桜、洛北鞍馬の雲珠桜(うず)、奈良興福寺の楊貴妃桜、東京上野の秋色桜(しゅうしき)などのほか枚挙に暇がない。

山吹〜渓谷のほとりなどに自生するが、観賞用としても庭園に培養される。青い茎が叢生(そうせい:むらがってはえる)して1メートル数十センチになる、バラ科の落葉低木。晩春、うすみどりの若葉にまじって、五弁の黄色の散りやすい花を開く。一重咲き、八重咲きがあり、一重咲きのものはほとんど結実するが、八重咲きではまれである。白山吹もあり、重弁の八重山吹は、その花季が遅い。濃山吹は鮮黄色の八重咲きで、葉山吹は葉ごみの山吹を言う。日本原産で、優雅な趣は、古来詩歌に歌われている。山城の井手の玉川が、古来名所とされた。

山吹にまつわる話は多くあり、太田道潅(どうかん)が狩りの途中に雨に遭(あ)い、農家で蓑(みの)を借りようとすると、娘が山吹の花を差し出した話は有名。道潅は花の意味がわからなかった。帰城してから、家臣より「後拾遺集」兼明親王の歌「七重八重花は咲けども山吹の実(み)の(蓑)一つだになきぞ悲しき」を教えられ、娘が蓑ひとつなき貧しさを伝えたことに気付く。以後、道潅は己の不明を恥じ、歌道に精進したという。

(注1)
太田道潅(1432〜1486):室町中期の武将。築城に長じ、江戸城をはじめ川越、岩槻など諸城をつくる。
※徳川家康が江戸に最初に入ったのは1590(天正18)年のこと。

沈丁花(じんちょうげ)〜ジンチョウゲ科の常緑低木。高さはせいぜい、1メートル20センチ余、籬(まがき:竹、柴などをあらくあんで作った垣)や庭園に植えられる。冬の間から、光沢のある厚い葉の間に、紫紅色の蕾をたくさんつけて、三月ごろ、甘く強い香気があって、内側は白く、外側は紅紫色の花をひらく。花弁はなく、萼(がく)が花びらのように見える。その香りが沈香(じんこう:香料、伽羅)にも丁子(ちょうじ:香料、丁子油)にも似ているのでこの名がある。中国原産、漢名は瑞香(ずいこう)、縁起の良い花とされ、古くから愛培されてきた。


歳時記より
木瓜(ぼけ)の花:中国原産のバラ科の落葉低木。日本には江戸中期に渡来したといわれ、庭園などに栽植される。高さは二メートル前後。四月ごろ葉に先立って花を開くが、深紅色のものを「緋木瓜」、白色のものを「白木瓜」、紅白雑色のものを、「更紗木瓜」という。実は薬用になる。

燕(つばめ):スズメ目ツバメ科の総称。夏鳥として春に渡来し、人家の軒先などに営巣。ツバメ科の燕は種子島以北の全国で繁殖する。その他に岩燕・腰赤燕が九州以北で見られる。また北海道では小洞燕が、奄美大島以南では琉球燕がそれぞれ渡来する。空中をひるがえり、地上すれすれに飛ぶ姿は鮮やかである。
野木瓜越燕:矢代仁蔵書「都乃錦」

四月(卯月→五月)の覚え書
・春の終わりで四月にあたる。地方によってずれはあるが、春もようやくたけなわを過ぎている。暮れの春・行く春・春惜しむなどと大差はないが、どことなく語感の響きにおおらかな強い感じがある。
・桜・桃・梨など百花咲き乱れ、春たけなわの月。一年を通じて気温上昇の割合が最も大きい。花曇りの日が多く、時に強い南風が吹く。麦の穂が出て、蛙が鳴き始め、苗代の準備や野菜の種蒔きに忙しくなる。花見・潮干狩・ピクニックなど人々の動きも活発になる。
・弥生:陰暦三月の異称。「いやおひ(弥生)」の約転で、草木がいやが上にも生えること。
3/31〜4/4 雷乃発声(らいすなわちこえをはっす):七十二候、春分の三候
4/5 清明(せいめい):二十四節気、陰暦三月節
春分の後十五日。「万物ここに至って皆潔斎(けつさい)にして清明なり」と言われる。琉球では清明節と言って、墓参を行う。
4/5〜9 玄鳥至(つばくらいたる):七十二候、清明の初候
4/10〜14 鴻雁北(こうがんきたす):七十二候、清明の二候
4/15〜19 虹始見(にじはじめてみる):七十二候、清明の三候
4/20 穀雨(こくう):二十四節気、陰暦三月中
清明の後十五日。雨百穀を生ずる意
4/20〜24 葦始生(よしはじめてしょうず):七十二候、穀雨の初候
4/25〜29 霜止出苗(しもやみなえいだす):七十二候、穀雨の二候
・蘆(あし)〜ヨシの別名・異名。蘆の角とは湖沼・川岸に群生するイネ科ヨシ属の多年草である蘆の芽。春、地下茎から筍に似た角状の新芽を伸ばす。蘆の角は生長すると二列の互生した葉を出す。これが蘆の若葉である。
・十三詣〜四月十三日(もとは陰暦三月十三日)に、十三歳の少年少女が、知恵・福徳を授かるために京都市虚空蔵(こくぞう)法輪寺の虚空菩薩に詣でること。参詣の帰り、渡月橋を渡る時後ろを振り向くと、折角授かった知恵がなくなるという俗信がある。


矢代仁が出品する主な催しの予定
  日程 場所 催し名
3月 19日〜4/1 名古屋三越:店内 有名老舗のれん市
  26日〜4/1 横浜高島屋:店内 おしゃれきものの会
4月 4/1〜15日 京都高島屋:店内 単衣の会
  3〜4日 横浜高島屋:大磯旧吉田邸 桜の会
  5〜6日 松坂屋全店:みやこメッセ 染織名作展
  5〜6日 仙台三越:室町二条「矢代仁」 装春展
  8日 山形屋:店内 矢代仁展
  10日 日本橋高島屋:無門庵 立川特招会
  10〜11日 本店三越:ホテルオークラ 三彩会
  11〜13日 東京呉盟会:美術クラブ 呉盟会
  12〜13日 日本橋高島屋:仁和寺 上品会
  12〜13日 神戸大丸:風月堂 呉服の会
  17〜22日 日本橋高島屋:店内 きもの感謝祭
  19日 京都文化博物館 光悦会
  19〜20日 京都高島屋:店内 サロンバーゲン
  20日 上野松坂屋:桜茶屋 染織名作展
  21日 仙台三越:ホテルメトロポリタン仙台 仙桜会
  25〜27日 津松菱:アスト津アストホール 京きもの逸品会
  25〜28日 姫路圓山:店内 単衣夏物の会
  26日 心斎橋大丸:南地大和屋 絢匠苑
  27日 名古屋松坂屋:加茂免 染織名作展




    YASHIRONI 株式会社 矢代仁
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