矢代仁トピックス



お洒落・単衣のきもの
文様の出典は、プレ・インカ裂、コプト裂です。
単衣訪問着「圓文、鳥・葡萄唐草文」
単衣訪問着
「圓文、鳥・葡萄唐草文」
単衣訪問着「幡形文、赤地花文、亀甲形連続文」
単衣訪問着
「幡形文、赤地花文、亀甲形連続文」
単衣訪問着「獅子文、鳥葉文、花卉文、波頭模様」
単衣訪問着
「獅子文、鳥葉文、花卉文、波頭模様」


古代の染織裂
【コプトの染織】
エジプトの初期キリスト教時代以降の代表的染織品の総称。三世紀頃から十二、三世紀頃にわたって製作された特色ある織物で、最盛期は五〜七世紀。綴織を主とするが、ほかに輪奈織・刺繍・レース・蝋染の更紗なども含む。材料は亜麻・大麻・羊毛などで後に絹も使った。初期の色彩には赤紫色や褐色が多いが、次第に黄・緑・藍などを加えて色数が増し、美しい配色がみられる。コプト文化はキリスト教を中心とした文化だが、ヘレニズム文化の流れも強く、初期の染織文様には、裸形の人物図や舞踏図など、ギリシャ神話を題材にしたものが多い。次いでキリスト教的象徴(鳩・魚・十字など)や聖書から取材した文様が中心となり、一部にはササン朝ペルシアの影響も現れる。エジプトがイスラム文化圏に入ると文様の主題も幾何学的なものへと変化し、コプト時代の終末となる。
※コプト織:エジプトの初期キリスト教徒であるコプト人により、三世紀頃から十二、三世紀頃にわたって製作された織物。
人物舞踏図綴織方布
人物舞踏図綴織方布
コプト時代 5〜6世紀
編集明石染人「埃及コプト染織図録」より
段地動物神獣文綴織上衣裂
段地動物神獣文綴織上衣裂
プレ・インカ時代 7〜10世紀
編集鐘淵紡績「南米プレ・インカ染織図録」より
【プレ・インカの染織】
南アメリカの中央を占めるアンデス山脈の西側ペルー、北のエクアドル、南のボリビア一帯の古代文明の地で用いた染織品。十五世紀に成立したインカ帝国以前なので、これらをプレ・インカと総称する。
(1)最古の文化は約一万年前を遡るとされ、紀元前3000年頃には土器はないが植物を栽培し、織物を作った文化が海岸地方のオアシスに散在する。前2500年のワカープリエッタの遺跡からは蝶文様の木綿レースが出土した。
(2)次の前1000年頃のチャンピ文化には木綿を主体とした織物が発達し、技法も綴・刺繍があり、布の回りに総をつけるなどの装飾も行なわれた。これを形成期という。
(3)一方、メキシコ高原の中央部では紀元の頃から古典期と呼ぶ都市文化の時代ができた。
テオチワカンの文化では綿・ユッカ(糸蘭)・マゲイ(龍舌蘭)を原料とした織物があり、植物質・鉱物質の色料で染色した。男は褌を締めサンダルをはく。神官は多色の衣服を着け、ケツマル鳥の羽のついた頭飾りを用いた。女はスカート風のものを着け、帯・ショール・短いマント・ターバンを用いサンダルをはいた。
(4)これに並行して南にはモンテーアルパン、メキシコ湾岸にタヒン、ユカタン半島にマヤの文明が生れた。
(5)又、中央アンデスの古典期には北部に前300〜後1000年にわたるモチーカ文化が発達したが、ここでは平織・綴織・羅が織られ色相も豊富となった。
(6)これと同時代に南部にナスカ文化のパラカスの遺跡があり、ここでは1925〜27年に600体に近いミイラが発掘された。ミイラに巻かれていた布の中には幅3.9メートル、長さ25.5メートルの長大な布もあり、量も多い。初期のものは染色もなく文様もないが、パラカスのネクロポリス出土のものは木綿と獣毛(アルパカ・ラマ・ビキュナ)の混用で、文様は強い色彩を持ち神像・動物などを現わした。これらの文様には土器に共通するものもある。
(7)ナスカ文化に次ぐのは後古典期のインカ文化でミイラ埋葬用の布地が多く作られたが、この期には国家組織も整備され、軍隊が生まれ制服用織物が組織的に生産された。貫頭衣のポンチョ・袖付のウンクも定着する。文様は細かな幾何学模様が中心。原料は高原地帯ではラマなどの獣毛、低地では木綿。技法で注目されるのは搦(から)み織で、チャンカイでは紗・絽・籠目紗・羅があり、中国・日本の搦み織との比較が注目される。多くは被り物に用いた。そのほか綴による文様織も多く、手描きによる文様染・絞染がある。赤はコチニール・茜・紅、青は藍、黄は鬱金、黒はブラジルーウッドの樹皮の煎汁を用いた。これらの染料を混用して200近い色が利用された。
(8)現在プレ・インカといわれるのはナスカと後古典期のものが多い。

参考文献:淡交社「原色染織大辞典」


季節の花ギャラリー
黄梅、草雀:矢代仁蔵書「花鳥画譜」
黄梅、草雀:矢代仁蔵書「花鳥画譜」
黄梅〜シナ原産の鑑賞用落葉灌木で、茎はやや蔓状で、地に着けば根を生ずる。葉は複葉で三つの小葉から成り、早春葉に先だって開花する。花冠は盆状で、六弁の鮮黄色である。一名迎春花とも言う。


矢代仁が出品する主な催しの予定
  日程 場所 催し名
1月 26日〜2/1 東武百貨店:店内 春の染織新作展
2月 1〜28日 いよてつ高島屋、JR名古屋高島屋:各店 上品持回り

2日 京都高島屋:サンプラザ万助 上品会内覧会

2〜3日 小大丸:大阪美術クラブ さわらびの会

3〜4日 ヨシズヤ:大口店内  

3〜5日 丸京ゆうき:店内 春のゆう美会

9〜14日 トキハ:店内 巧裳会

10〜12日 大阪高島屋:店内 決算大蔵ざらえ

10〜12日 松葉屋:店内 春の松選会

10〜12日 特選呉服後藤:下北文化会館 春の彩りの会

10〜13日 たまだい:店内 美裳展

10〜13日 ヨシズヤ:蟹江店内  

10〜20日 住吉たかはし:店内 和美づくし

11日 京都高島屋:ウエスティン都ホテル 上品会内覧会

11〜12日 三越本店:濱田屋 大見切市

11〜12日 丸武商店:船場ハートンホテル 呉秀会

12日 関東高島屋:帝国ホテル 上品会(薔薇会)

14〜15日 札幌三越:ホテルオークラ札幌 逸品会

14〜20日 三越本店:店内 鼎美会

14〜20日 名古屋三越:店内 決算バーゲン

16〜17日 名古屋松坂屋:名古屋東急ホテル 春の藤美会

16〜17日 京都高島屋:店内 特選呉服決算処分

16〜21日 日本橋高島屋:店内 東西名匠老舗の会

16〜21日 大阪高島屋:店内グランドホール 上品会内覧会

17〜19日 岩田屋:店内 きらめきの会

17〜20日 糸園呉服店:店内 春のきもの展

18〜20日 川島織物:岡山ロイヤルホテル グランドフェア

19日 心斎橋大丸:大阪会館 謝恩会

21〜22日 三越本店:帝国ホテル 逸品会

23日 岡山高島屋:岡山国際ホテル 華コレクション

24〜28日 佐世保玉屋:店内 のれん市

27日 横浜高島屋:横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ 上品会内覧会

28日〜3/6 札幌三越:店内 御召展




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