矢代仁トピックス



粛啓 若葉の候、尊堂益々ご清栄の段慶賀の至りに存じます。
恒例の鼎美会を開催することに致しました。
会発足の主旨に恥しくない陳列会をと心掛け、三社努力致した次第でございます。
何卒ご指導ご鞭撻の思召を以て、ご光来下さいますよう慎んでお願い申し上げます。



【鼎美会主旨】
千總、川島織物、矢代仁(以下、私共三社)が、祖業として夫々幾星霜の風雪の下、互に持ち続け互に磨き続けて参りました奇しきよしみときずなを一層強め活かして、私共三社の特技を高める為益々研鑽と努力を注ぐ場として組織しました(発足以来48年)のがこの鼎美会であります。汗と油の滴る先人達の伝統は力めて守ると共に、進展する服飾文化の在り方にも意を用い、佳い染、良い帯、善い御召をと、私共三社が鼎の心を心とし其の美を念じて力を協せて参る考えであります。年々時を選んで陳列会を催しますのも諸賢の御教示と御批判を仰ぐ主旨に外なりません。

【鼎(てい・かなえ)とは】
鼎とは、鍋状の器に一対の耳と中実の三足を付けたものをいう。耳は棒を通して持ち上げるためのもの、足は下から火を焚いて中の肉類などを煮るためのものである。古代中国で、王権の象徴として重視され、礼器のうち最も尊ばれた。「鼎立(ていりつ)」の語があるように、三者が互いに向かいあって立つことの意。
 


季節の花ギャラリー
牡丹:矢代仁蔵書「四季の花」
牡丹〜五月も初めのころ、芳香のある径十数センチほどの大輪の花を梢上にひらく。紅・淡紅・紅紫・白・黄・絞りなどの色を呈して咲くさまは豪華で、重弁・単弁など品種が多いが、いずれも花の姿の豊麗なことは花王の名にそむかず、観賞用として広く庭園に栽培される。崩れるような散りぎわの姿ははかない感じである。ことに白牡丹の気品が高い。大和の長谷寺・当麻寺は名所として知られ、岩代須賀川、下総の松戸などの牡丹園も名がある。

歳時記より
ほととぎす:矢代仁蔵書「梅嶺画鑑」
時鳥(ほととぎす)〜古来、春の花・夏の時鳥・秋の月・冬の雪が、四季を代表する詠題とされた。詩歌に詠われることももっとも多いが、近来都会で声を聞くことはまれになった。早いのは三、四月、多くは五月中旬ごろ渡来し、晩秋までいて南方に渡る。背色は暗灰青色で、腹は白地に鷹斑の横縞があり、翼の風切羽に白斑、尾には白の横縞がある。鴬の巣に卵を託す奇習がある。鳴声は古来テッペンカケタカとか、ホンゾンカケタカとか、さまざまに聞きなされている。いそがしげな鳴声に特色があり、「帛を裂くが如し」と言われている。高原地帯に多く聞かれ、昼も夜も鳴き、鳴く時口中の鮮紅色が見える。文人は、耳をすませて、初時鳥の一声を待ったものである。

「ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば ただ有明の 月ぞ残れる 後徳大寺左大臣」
小倉百人一首の八十一


五月の主な行事
○京都
1〜3日 引接寺 千本えんま堂狂言
京都の三狂言の一つで、有声であるのが特色。境内の普賢象桜の開花のころ、鎮花のため催されたらしい。毎日初番の「閻魔の庁」はここの閻魔の手判で極楽に往けるというもの。
1〜4日 神泉苑 神泉苑大念仏狂言
神泉苑祭に催す。壬生狂言の分かれといわれ、無言で鉦、太鼓、笛にあわせて演じる。
1〜18日 上御霊神社 上御霊祭
悪疫退散の御霊会にはじまり、もとは8月8日に行われた。1日は神幸祭、18日は還幸祭で神輿三基が渡御する。
2日 建仁寺 御茶壺道中
茶摘み女をまじえて、新茶の御茶壺を御所へ献上するもので、建仁寺ー花見小路北ー八坂神社と古式の道中を再現する。
3日 下鴨神社 流鏑馬神事
葵祭りの前儀として行なう。鎌倉時代の武士の装束で馬を馳せながら三カ所の的を鏑矢で次々に射る神事。
5日 藤森神社 藤森祭り
深草祭りともいう。神輿三基の巡幸、武者行列がある。境内の馬場では駈馬の神事が行われ、立乗り、後乗り、手綱潜りなどの妙技が披露される。以前は馬術専門家が演じていた。
  千本釈迦堂 千本釈迦堂花供養
釈迦の誕生を祝う花祭り。白川女姿の少女と稚児行列が周辺を練る。花供養会のあと、池坊による献花式がある。本尊釈迦如来坐像を特別開扉する。
  一乗寺修学院一帯 七里祭り
氏神の祭礼。以前は七つの里で同時に行ったが、今は一乗寺の八大神社、修学院の鷺森神社、高野の崇道神社で行われている。神輿をかつぎ、「さんやれ」と囃し、尻を振って練り歩く。
  上賀茂神社 賀茂競馬
1日の足汰式で組合せ決め、5日は神事のあと、左方(赤組)、右方(黒組)一頭一組となり一の鳥居内の馬出しの桜から、勝負の紅葉までを競う。
  今宮神社 今宮祭り
神幸祭。15日に近い日曜日に還幸祭がある。白丁姿の先馳け、剣鉾、太刀、神輿などの行列が巡行する。葵、菖蒲、牡丹など十二基の鉾がある。
15日 下鴨神社 御陰神社
葵祭りの前儀。上高野御陰山の御陰神社から神霊を迎える神事で、わが国最古の神幸祭という。途中、糺ノ森で切芝神事を営み、東遊の舞、雅楽を奏する。上賀茂神社で行う同儀の御阿礼神事は真夜中に非公開で行われる。
  上賀茂神社 葵祭り
京都三大祭りの一つ。5月3日から15日までつづくが、15日の路頭の儀が「行列」で、御所から下鴨神社、上賀茂神社と進む。平安貴族姿の行列の中でも、斎王代は華やかさで人目をひく。一同葵をかざすところから葵祭りという。
23日 詩仙堂 丈山忌
石川丈山の忌日法要。丈山は詩仙堂を開き、九十歳で没するまでここに三十年間隠棲した。法要のあと、献香、詩吟、野点がある。25〜27日は丈山の遺品、墨蹟を展観する。
28日 十輪寺 業平忌
晩年をここに隠棲したという在原業平の命日。法要は、住職が三弦を奏しつつ読経し、「祈請」「般若心経」などの法曲を披露する。献茶、献歌、献句があり、小唄や山城舞楽を奉納する。
満月の宵 鞍馬寺 五月満月祭り
密教の祭典。宝殿に沸き出す霊水を祭壇に置き、それに月光をうつして本尊の尊天大魔王に世界平和を祈願する。魔王尊の「お力宝棒」によって、蝋燭を手にした参列者は霊光をそそがれ、霊水と「五智の宝冠」を受ける。
第3日曜 車折神社 三船祭り
大堰川で行われる、昭和の行事であるが、もとは昌泰元年(898)の御船遊びで、詩歌楽の三船にそれぞれの道に堪能な人をのせた行事。車折神社を出た神幸列は御座船に移り、二十艘余の芸能船が出て、新緑の中に華麗な催しをくりひろげる。
27日に近い日曜 二尊院 かるた忌法要
5月27日は藤原定家が小倉百人一首を選んだ日といわれ、日本かるた院の主催で昭和四十三年から行われている。法要のあと、有段者による奉納試合、王朝衣裳のかるた姫による古式歌かるたが披露される。
第4日曜 愛宕、野宮両社の祭礼 嵯峨野祭り
第3日曜が神幸祭で、この日は還幸祭。榊、太鼓、獅子頭、剣鉾、子供神輿、稚児行列などが神輿とともに巡行する。渡月橋に出て嵐山から還幸。
○全国
1日 高岡市 高岡御車山祭
1・2日 富山県福野町神明社 夜高まつり
1〜5日 岩手県平泉町中尊寺・毛越寺 平泉藤原まつり
平安時代の末期にこの地方で栄えた藤原清衡、基衡、秀衡の藤原三代の栄華をしのんで、昭和二十四年から始められた祭り。当時の風俗を模した行列が繰り出し、中尊寺の鎮守白山神社の能楽堂で喜多流の演能、和泉流の狂言などが奉納され、毛越寺魔多羅神祭に演じられる延年の舞も催される。
2〜4日 下関市赤間神宮 先帝祭
3日 滋賀県米原町筑摩神社 筑摩祭
3・4日 福岡市 どんたく
元来は松囃子と称して、正月十五日に地下、町方の者が国主や檀那家の邸宅に祝言を述べるために練り込んだ行事であり、桃山時代の文禄四年(1595)正月に行われたという記録がある。江戸時代には正月十五日に行列を仕立てて福岡城へ練り込み、黒田藩公に新年の祝賀をし、町中は大いにわいたという。現在の日付は昭和二十四年以後で、市をあげての港祭の一行事に組込まれた。「どんたく」とはオランダ語のゾンターク(ZOTAG)が訛ったもので、日曜休日の意味。当日は松囃子にあわせ、稚児を乗せた曳台と、恵比須、大黒、福神が馬に乗って街を練り歩く。また、「言い立て」や「唐衣」の謡なども残されている。
3〜5日 柳川市沖端水天宮 沖端水天宮祭
4・5日 神奈川県座間市 大凧祭
5日 東京都品川寺 鐘供養
  府中市大国魂神社 府中祭(暗闇祭)
  愛媛県五十崎町 五十崎大凧合戦
  那覇市 ハーリー
5〜7日 久留米市水天宮 水天宮大祭
7日〜8/8 福井県永平寺 夏安居
8日 山梨県勝沼町大善寺 藤切祭
8〜13日 名古屋市熱田神宮 花の撓(とう)
11日 岐阜県上宝村村上神社 播隆祭
11・12日 奈良市興福寺 興福寺の薪能
最古の歴史。平安時代に興福寺東西金堂における修二会の前行事である薪宴に猿楽が付随していたためというのが有力な起源説。薪宴とは、修二会に用いる薪を春日山から伐り囃してくる行事のことで、ここから薪能の名が起こったとされる。能は中世の代表的な舞台芸能であるが、古来の猿楽を世阿弥が能として大成させた。猿楽能は寺社で行われていた神事芸能であり、興福寺と春日神社に付属して、寺の法要や祭事を行っていたのが、現在の観世、宝生、金剛、金春の大和四座であった。当日は、般若の芝の上に敷舞台を置き、四方に篝火を焚き、その明かりの中で能楽が演じられる。初日に春日大宮拝ノ屋で演じられる「呪師走り」という翁舞がもっとも厳儀とされる。
11日〜10/15 岐阜市 長良川の鵜飼
13〜15日 石川県七尾市大地主神社 青柏祭
神撰を青柏の葉に盛って供えるのでこの名がある。呼び物はデカ山と呼ばれる巨大な三台の山車で、高さは十三メートルあまり、上部が扇形に広がり、これに天守閣を造って前面に歌舞伎芝居にちなむ人形を飾りつける。
14日 奈良県當麻町当麻寺 練供養
14・15日 大垣市八幡神社 大垣まつり
  東京都神田神社 神田祭り
山王祭りと隔年で行われ、山王祭りとともに天下祭りと呼ばれた。神田町内の神輿百基と鳳輦などが出て、大いに賑わう。江戸情緒を満喫させる活気溢れる祭り。
14〜16日 島根県出雲大社 出雲祭
  長野県戸隠村戸隠神社 戸隠祭
16〜18日 大津市三井寺 千団子祭
  静岡県下田町 黒船祭
17・18日 日光市東照宮 日光東照宮祭
これは元和三年(1617)に東照大権現(徳川家康)の霊を、駿河国の久能山からこの地に移したときの行列をそのまま伝えたものという。もとは家康の命日旧暦五月十四日に行われていた。前日には宵成祭といって、家康、豊臣秀吉、源頼朝の三基の神輿が、隣接する二荒山神社に渡御し一夜を明かす。翌日の本祭では、百物揃い、千人武者行列が繰り出し、神社を出発、御旅所へ向かう。ここでは東遊び、駿河舞が奉納される。また輪王寺三仏堂前で延年の舞も舞われ、流鏑馬の神事なども行われる。なお同じように十月十七日は秋の例大祭も行われる。
19日 奈良市唐招提寺 団扇撒き
24〜26日 神戸市湊川神社 楠公祭
祭神楠木正成は、延元元年(1336)の五月二十五日にこの地で討死した。二十四日は宵宮祭が、二十五日は神幸祭が行われる。神幸の行列の人数は千人を超え、その道具、装束はすべて鎌倉時代の風俗を再現したもので見事である。
25日 鶴岡市太宰府天満宮 化物祭
男女区別なく思い思いに仮装して練り歩く。奇抜な仮装で、誰が誰やら見分けがつかないのでこの名がある。めいめい酒を持ち。通行人にすすめたり、ふざけたりする。
28日 神奈川県小田原市曽我谷津城前寺 曽我の傘焼き
この日曽我兄弟が傘を焼いて松明とし、富士の裾野において、父の仇工藤祐経を討って、本懐をとげたという故事にちなむ行事である。家々から集めた古傘を山と摘んで、供養し、十郎、五郎に扮した稚児が火をつける。傘は「瘡」に通じ、これを焼いて無病息災を祈願する。また、鹿児島でも「曽我どんの傘焼き」といい同じ日に祭りが行われる。
31日〜6/1 東京都浅草神 江戸浅草祭
中旬 三重県伊勢神宮 御田植
皇太神宮の神田は伊勢市楠部と志摩郡磯部町伊雑宮にあり、五月に行われるのは、古来の御田植の作法を伝承しているとされる楠部で磯部町の御田植は六月二十四日に行われる。当日は奉仕員(作長、楽人、作丁、女子令員)が神宮に参拝し、お祓いをうけ、神田で田植えを行う。
  佐賀県太良町竹橋観世音寺 流灌頂
中旬(12年に一度) 松江市 ホーランエンヤ
中旬(土・日曜) 和歌山市東照宮 和歌山祭
  東京都神田神社 神田祭
第三(金曜〜日曜) 東京都浅草神社 三社祭
第三土・日曜 函館市 函館五稜郭祭
最終金曜〜日曜 札幌市 札幌ライラックまつり
旧四日 沖縄県糸満市 ハーレー
旧五日ごろ(土曜) 笠岡市金浦西浜 ひったか


矢代仁が出品する主な催しの予定
  日程 場所 催し名
5月 2〜9日 草紫堂:店内 帯夏物展
  3日 日本橋高島屋:ホテルニューオータニ 上品会・ロイヤルコレクション
  3〜5日 美馬:高知地区 逸品展
  4〜10日 大阪三越:店内 矢代仁展
  5日 上野・銀座松坂屋:金田中 名作展
  7〜8日 神戸大丸:有馬兵衛向陽閣 絢匠苑
  7〜10日 小いけ:酒田本立ビル 大感謝祭
  8日 京都高島屋:ソシアル(烏丸六角) 上野綴展
  8〜24日 大阪三越:店内 振袖展
  10日 山形屋:川内地区 京彩会拠点
  11日 山形屋:枕崎地区 京彩会拠点
  11〜12日 三越本店:重富荘 鹿児島ツアー
  13日 山形屋:鹿屋 京彩会拠点
  13〜16日 小いけ:日荘内神社 大感謝祭
  13〜19日 神戸大丸:店内 全国織物展
  14日 松坂屋静岡店:焼津地区 名作展
  14〜16日 たまだい:店内 振袖展
  14〜16日 後藤:下北文化会館 創業祭
  14〜16日 松葉屋:店内 夏の松選会
  15日 松坂屋静岡店:富士地区 名作展
  15日 矢代仁:室町二条京都店 ファミリーセール
  15〜16日 京都大丸:京都文化博物館 大きもの
  16日 大阪高島屋:和歌山ロイヤルパインズ 上品会
  16日 岡山高島屋 豪華展
  17日 山形屋:都城地区 京彩会拠点
  18日 山形屋:拾良地区 京彩会拠点
  18〜19日 佐世保玉屋:アルカスSASEBO 矢代仁展
  19〜25日 日本橋高島屋:店内 上品会
  19日〜6/1 伊勢丹:店内 名匠展
  20〜21日 松坂屋静岡店:浮月楼 名作展
  21〜23日 大阪高島屋:店内 わけあり処分市
  21〜23日 たまだい:店内 振袖展
  22日 名古屋松坂屋:徳川美術館 矢代仁展
  22日 心斎橋大丸:大阪会館 大きもの展
  22〜23日 京都高島屋:ビル葆光 きもの感謝祭
  22〜23日 矢代仁:赤坂プリンスホテル エクセレントきものin赤坂
  24日 山形屋:大口地区 京彩会拠点
  25日 山形屋:出水地区 京彩会拠点
  25日 上野・銀座松坂屋:両国第一ホテル 名作展
  25日〜6/7 大阪三越:店内 創秀会
  27日 本店三越:歌舞伎座 特招会
  27〜30日 横浜高島屋:店内 上品会
  29日 上野松坂屋:両国地区 名作展




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